2021年11月27日土曜日

国連 子どもの権利委員会 2021一般討議日 ー障害児と脱施設化ー

   国連の子どもの権利委員会は、2021916日~17日にかけて「2021一般討議日:子どもの権利と代替的養護」を対面とオンラインで開いた。世界各国から1200名参加した。今年の一般討議日(およそ2年に1回行われている)は、以下の12の目標が設定されていた(Committee on the Rights of the Child , Children’s Rights and Alternative Care Background Document”2021, p3)。

·        ・代替的養護(養子、里子、施設で育つ)を経験した子どもや若者のための有意義な参加を創る

·        ・代替的養護に措置された大人から学ぶ

·        ・親の養育のない子どもに関する国連総会決議(2019)(the 2019 UN General Assembly (UNGA) Resolution on children without parental care)を検証する

·     ・自由を奪われた子どもに関する国際研究(the Global Study on Children Deprived of Liberty)を足がかりにする

·        ・代替的養護における害や虐待を確認し、司法と説明責任につなげる方法を探る

·        ・代替的養護における新型コロナウイルス感染症の影響から学ぶ

·        ・家族の分離を防ぐ

·       ・ 特化した支援や何をもって質の高い代替ケアとするのかについて、経験から学ぶ

·       ・子ども保護の仕組みを強化する取り組みを探る

·        ・正確な調査を促進する

·        ・複雑な状態への刷新的なアプローチを探る

 このイベントでは、障害児を、分離と施設収容にあうリスクの高い子どもと捉えているのが印象的だった。障害者の脱施設化を進めていくにあたり重要なため、紹介する。(以下は、同,pp, 41-42から要約)

2.10.1 障害のある子ども

 障害のある子ども(身体と知的障害の両方)は家族から分離させられたり施設収容にあうリスクがほかの子どもよりも高い。提出資料(一般討議日のために委員会が募集した手紙・絵・ビデオ・意見書)には、これに対して次のような多数の理由が述べられた。

·        子ども一人ひとりにあった地域支援と在宅支援が不足している

·        社会によって作られたスティグマ、差別、否定的な慣習的態度、その他の障壁がある

·        貧困や、障害関連費用をまかなうための家族への経済的支援の不足している

·        施設収容、入院、治療を強制する差別的法律がある

·        サービス利用における法的・行政的な壁(対象、基準)がある

·        意思決定から子どもや親を排除する、医学モデルのアプローチや精神能力検査の使用

 施設に暮らす障害のある子どもは良くない状態、ネグレクト、暴力、虐待に遭うかもしれない。提出資料には、施設やグループホーム、里親のもとで、障害のある子どもが否定的に扱われている様々な現状が述べられている。

例えば、年齢、性別、興味、家庭的な環境といった個人状態を無視したところに措置された子どもたちだ。資料の提出者たちは、代替的養護における障害のある子どもに影響する様々なかたちの虐待を指摘する。身体的・心理学的・感情的な虐待、ネグレクト、不確定な期間で施設に閉じ込めること、辛辣な罰、女児・男児の性的虐待、性と生殖的な健康・権利の侵害。そしてこれらに関して司法につながることへの否定。

辛辣な差別、虐待、権利の否定は、交差する傷つきやすさのある障害のある子ども(女児、先住民、難民・移民、性自認ができていない子どもなど)においてさらに悪化しやすい。

  股、家族から分離されていない障害のある子どもも、公平に本人にあった必要な支援やサービスを利用できていなく、将来に分離させられるリスクに置かれている。とくに地方や人里離れたところに住む子どもや、原住民家族・特殊化されたサービスのコミュニティからの子どもは支援やサービスを往々にして、より利用できない。

障害のある子どものためのリハビリテーションと他のサービス(支援機器など)は使用料が高く、家族ケアの重荷になっている。家族は子どもにとって不十分で、連携されていないサービスの組み合わせを使うことに息切れしてしまい、入所施設を手段として頼ってしまう。

 提出資料では、①障害のある子どもは差別やサービスの不足のために家族からの分離の危険が高いこと、②障害のある子どもの分離を防ぐことが重要なテーマに挙がっていた。分離を防ぐことは、以下のような方策である。

·        子ども一人ひとりのニードにあったサービスと支援の提供(在宅サービス、

·        インクルーシブ教育、早期発見、家族支援、パーソナルアシスタントなど)

·        危機のときや乳幼児期の介入と診断情報の提供

·        障害のある子どもの平等な機会を提供するためのインクルーシブな政策

·        障害のある子どもの支援について親や家族が学ぶための研修、情報、支援、指針の提供

·        社会規範を変えるキャンペーン

·        周辺化された傷つきやすいコミュニティでの支援と援助

·        障害のある子どもと親/家族の参加とエンパワーメント

·        統計データと情報が利用できること(養育権の状態など)

 

 提出資料で挙げられたほかの重要な問題は大人が、障害のある子どもについての彼らの選択を聴く、彼らの意見を尊重するのに失敗していることである。これは、薬物治療の強制や暴力といった幅広い危害につながる。提出資料では、障害のある子どもは自分の考えを表すことができ、自分のケアについて満足のいくわかりやすい情報を受けとることが重要だとする。この支援が往々にして提供されていないため、障害のある子どもは往々にして、保護者、サービス提供者、すべての社会によって見えない気づかれない存在である。

 提出資料では、障害のある子どもについての適切な信頼できる比較可能なデータはないことが多く、それが彼らのニードにあったインクルーシブな計画やサービスを届けるのをより難しくしていると指摘した。

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